白内障手術件数を増やす方法|紹介・説明・手術枠の改善

白内障手術件数を増やすには、広告だけではなく、手術適応患者の把握、紹介連携、説明、術前検査、手術枠、キャンセル対応、術後の逆紹介までを一つの流れとして改善する必要があります。

件数を目的化すると、患者への説明や院内の安全管理が置き去りになる可能性があります。本記事では、患者の適切な選択と診療品質を前提に、白内障手術を必要とする患者が手術まで円滑に進める体制を整理します。

この記事の結論
白内障手術件数は「適応患者数 × 説明実施率 × 手術決定率 × 手術枠充足率」で分解します。どの工程で患者が止まっているかを確認し、院内導線と地域紹介の両側から改善します。
目次

白内障手術件数が伸びない6つの原因

  1. 院内の手術適応患者を把握できていない
  2. 地域医療機関からの紹介が少ない
  3. 手術説明までの待ち時間が長い
  4. 患者が判断するための情報が不足している
  5. 手術枠・術者・看護体制が上限になっている
  6. キャンセル枠を再充足できていない

月間件数だけでは原因を特定できません。初診、精査、適応判断、説明、決定、術前検査、手術実施までを段階別に集計します。

最初に確認する白内障手術KPI

工程KPI確認点
患者流入白内障新患数、紹介患者数院内・紹介・Web等の流入経路
適応判断適応患者数、精査実施数疾患・視機能・生活上の困り事
説明説明実施率、説明待機日数説明枠、人員、資料、家族同席
決定手術決定数・決定率未決定理由、他院希望、延期
実施手術件数、枠稼働率、キャンセル率術者、手術室、人員、空き枠
収益術式別収益・材料原価・実質利益材料、薬剤、器材、追加人員

1.院内の手術適応患者を把握する

一般外来で白内障が診断されていても、視力低下、まぶしさ、運転、仕事、家事など生活上の困り事が十分に記録されていないと、手術相談につながらない場合があります。

診断名だけで対象患者を抽出せず、視機能、進行、左右差、患者の希望、全身状態等を医師が総合的に判断できるよう、問診と記録を整えます。

未決定患者を放置しない

手術を見送った患者について、見送り理由と次回確認時期を記録します。決定を急がせるのではなく、経過観察中に必要な情報を提供できる状態を作ります。

2.地域からの紹介患者を増やす

白内障手術の紹介は、近隣眼科だけでなく、内科、糖尿病内科、健診機関、介護施設等との関係から生まれる場合があります。ただし、対象や連携方法は地域の医療提供体制によって異なります。

紹介元が重視する項目

  • 予約窓口が分かりやすい
  • 紹介患者を適切な期間で受け入れられる
  • 診察・手術結果の返書が早い
  • 術後の診療分担が明確である
  • 緊急時に相談できる

営業訪問の回数だけでなく、紹介元別件数、最終紹介日、返書日数、逆紹介数を管理します。

3.手術説明の待ち時間と質を改善する

診察当日に十分な説明時間を確保できず、後日の説明予約が取りにくいと、患者の判断までに時間がかかります。説明枠、検査枠、家族同席、資料準備を一体で設計します。

医師とスタッフの説明範囲を整理する

診断、手術適応、医学的な選択肢、リスク等は医師が説明します。そのうえで、一般的な当日の流れ、持ち物、点眼、費用案内、予約変更等の補足業務を院内ルールに沿って整理します。

重要
多焦点眼内レンズ等を含む選択肢の説明は、特定の選択へ誘導するのではなく、患者が違い、費用、見え方の特徴、留意事項を理解して選択できる形にします。

4.手術枠の稼働率を改善する

設定枠と実施枠を分ける

手術枠稼働率は、設定した枠数に対する実施件数で確認します。空き枠の理由を、候補患者不足、説明待ち、術前検査待ち、患者都合、術者・人員制約に分けます。

術前検査をボトルネックにしない

眼軸長測定、角膜形状、内皮細胞、採血等の必要工程と所要時間を整理します。一般外来の検査と同じ時間帯に集中している場合は、術前検査枠を分けることも検討します。

キャンセル枠を再充足する

キャンセル待ちを希望する患者の条件、連絡順、必要検査、休薬等の確認状況を管理します。安全に前倒しできる患者だけを対象とし、判断条件を明確にします。

5.術後診療と逆紹介を仕組み化する

紹介元に、手術内容、経過、今後の診療方針を適切な時期に返します。術後診療を自院で継続するのか、紹介元と分担するのかを患者にも説明します。

逆紹介は紹介元との信頼だけでなく、手術クリニックの外来負荷を適正化するうえでも重要です。

6.件数と実質利益を同時に確認する

件数が増えても、材料費、薬剤費、器材費、追加人員、時間外労働が増えれば、利益が想定ほど残らない場合があります。術式ごとの収益から変動費を差し引き、術前術後外来の負荷も確認します。

診療報酬、施設基準、材料価格は変更されるため、最新資料と各院の実際の算定状況で試算してください。

実行の順番

  1. 過去12か月の手術件数・枠稼働率を集計
  2. 適応から実施までの患者数を段階別に集計
  3. 患者が止まっている工程を一つ選ぶ
  4. 説明枠、検査枠、紹介返書等を限定的に改善
  5. 4~8週間後に決定数・待機期間・負荷を確認
  6. 安全性と現場負荷を確認して対象を拡大

まとめ

白内障手術件数を増やすには、患者を集めるだけではなく、適応把握、説明、術前検査、手術枠、キャンセル対応、術後連携をつなぐ必要があります。

件数だけを目標にせず、待機期間、患者理解、紹介元との関係、手術枠稼働率、実質利益、スタッフ負荷を同時に確認することが重要です。

参考資料

個別の手術適応、術式、算定、施設基準は、最新の医学的知見・法令・通知と各医療機関の体制に基づいて判断してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

テックメディックス総研株式会社代表取締役。株式会社船井総合研究所などを経て、医療機関の経営改善、新規事業開発、集患、組織マネジメント、M&A・事業承継支援に従事。現在は病院・クリニック・製薬・医療機器分野に加え、半導体製造装置や電子材料メーカーの事業戦略、海外展開、M&A支援を手掛ける。医療と先端技術の双方に精通し、現場改善と企業価値向上を結び付けた支援を強みとしている。

コメント

コメントする

目次